2017年05月27日

小田仁二郎『触手』を読みました

うちの子どもは最近、角川つばさ文庫のシリーズものに夢中。
児童書の近くに閲覧スペースのある書店では、何時間でも飽きずに読んでいます。
親としてはすこしホロ苦い気持ちで付き添うのですが、こういう本をチェックできるのは嬉しい。

恋 川端康成・江戸川乱歩ほか (文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション)
恋 川端康成・江戸川乱歩ほか (文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション)

小田仁二郎の『鯉の巴』という異類婚ものの皮膚感覚がとてもよかったです。
ジュニア向けの短編集にこれを持ってきた編者はどなたかと見れば、さすがの東雅夫さん。
他の作品にも興味が湧いて、『小田仁二郎作品集 触手』(深夜叢書社。画像見つからず)を図書館でリクエストし、読んでみました。


所収作品は、表題作にして代表作の『触手』のほか『にせあぽりあ』、『メルヘンからかさ神』(第一話:鯉の巴 第二話:からかさ神 第三話:渇き 第四話:仙人の腹)、『昆虫系(一九三・・・年)』、『写楽』、『北斎最後の事件』、『蚤芝居』。

瀬戸内寂聴に影響を与えた作家さんだったんですね。

ひとに見えないものが見え、創作の狂気に憑かれた挙句に死んでゆく絵師を描いた『写楽』
ノミの進化に寄せる温かい目と、獄中の罪人たちの運命に向ける冷めた描写が対照的な『蚤芝居』

の二篇が読みやすかったです。

『メルヘン からかさ神』の四話の中では、やはり『鯉の巴』が抜群。
どの話にも「メルヘン」な匙加減を感じないことにツッコミたくなりますが…

『触手』『にせあぽりあ』など長めの作品は、畳みかけるような一人称の語りが特徴的。
自分の内面や、フェティッシュを感じるものについて、ものすごい粘度で描写して、描写して、描写する。
ちなみに『触手』のフェチ対象は、女性の下のお毛け。
エロチックになりそうなものですが、あまりにこだわり続けるがために、かえってストイックな印象に。

緻密に描き出すことで対象を解体していく文章を読んでいたら、ふとウラジミール・ソローキンの『ロマン』を思い出しました。

ロマン〈1〉 (文学の冒険)
ロマン〈1〉 (文学の冒険)
途中までは、ふつうに面白いロシア文学の体。
人間性に溢れた豊かな物語は、突如破綻し、登場人物が、小説そのものが、文字通りばらばらになってゆきます。読後はしばし、あ然ぼう然。
文章で構築される世界を、その世界を信じる読者を、容赦なくぶった斬る通り魔のような本。

どちらの作家も「こだわること」「すっぱり斬り落とすこと」を作品の中で両立しているのがすごいです。
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posted by まさの at 00:14 |

2017年05月22日

近況(2017年5月)

3月半ばに骨折した子どもの送り迎えを、丸2か月しておりました。
高学年の教科書の詰まったランドセルは鈍器のように重く、二の腕がムキムキに。
子どものようには背負えず片方の肩に担いで運んでいたため、最後には肩を傷める羽目になりました。
学校が坂の上にあるので、自転車の籠に乗せて押して歩くのも、なかなかのトレーニング。
真剣に電動アシスト付き自転車の購入を検討しています。

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今年はじめてのオオミズアオ。
肩の痛みも忘れるほど美麗な個体でした。羽化したてかな?

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マット替えが遅くなって申し訳なかった、カブト幼虫5匹。
右上の大きな個体は、お尻に黒いカサブタのような皮膚病があってすこし心配。


里山活動は4月に総会、5月に入ってからは2回活動がありました。

作業は
・道具の点検
・柵の整備
・サツマイモの畝作り
・ジャガモの芽かきと土寄せ
・タケノコ掘り
・落ち枝拾い などなどを分業で。

会員も増え、ますます賑やかな里山です。

posted by まさの at 11:36 | もろもろ

2017年05月10日

清里のフデリンドウほか

連休の間は二泊で清里に行っていました。
母が一念発起で山小屋をリニューアルしたので、片付けのお手伝い&植樹が訪問の主目的。

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フデリンドウ(14:10撮影)。
凛としつつも、このかわいさ!

子どものころ、植物図鑑の絵を眺めながら、いつか野外で見つけたいなあ・・・と願ってきた花のひとつ。
草丈は小指ほどもありません。
春に咲く青花のリンドウの仲間は、フデリンドウとハルリンドウ(この花も見つけたい!)。
高地に生えて、葉が丸みを帯びているのがフデリンドウ、低湿地に生えて葉が尖っているのがハルリンドウ。
母の故郷、佐賀県の峠に咲いていたというちいさなリンドウは、どっちだったのだろうか。

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14:19撮影。
見つけてから10分もたたないうちに花が閉じ始めました。早寝派?

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子どもの骨折の治りが遅いので、湯治をかねて清里丘の公園の天女の湯へ。
建物の玄関近くから眺めた、薄桃色の富士山。

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道の駅きよさとの鯉のぼり。


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以前お花見バスツアーで行った神代桜はもうシーズン終了していましたが、「ともにこの森」の敷地内では、カラマツの新緑を背景にサクラが満開。

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5月。
緑も深まる、よい季節ですね。




posted by まさの at 00:37 | 草木花