2017年04月26日

『メグレと深夜の十字路』

わたしの大好きな俳優のトム・ヴラシアさん。

出演作がなかなか日本で公開されないのが悩みですが、こんど
英ITVのテレビドラマ『メグレ警視』
シーズン2 "Maigret's Night at the Crossroads"
(ドラマでのこの話の邦題はまだ不明。原作邦題は『メグレと深夜の十字路』)に出演されるので、とても嬉しいです^^

ドラマの原作は、ベルギー人作家シムノンによるミステリー小説。
主人公はフランスの警視メグレで、原作もシリーズになっています。
過去にもドラマ化されていますが、今回の主演は『Mr.ビーン』のローワン・アトキンソン。
『Mr.ビーン』は若い頃お友達に「最高だから観て!」とDVDを貸してもらいました。笑いのツボが違ってわたしはハマれなかったけど、強烈な印象が残っています。
今回のメグレでは、ローワンさん、シリアスな演技がとても好評みたい。

気になるトムさんが演じるのは Carl Anderson という男。
隻眼のベルギー人貴族で、とある奇妙な殺人事件の容疑者。重要な役どころです。
ご本人のインスタグラムに、顔半分に特殊メイクを施したときの写真があって、実に絵になる迫力でした。
トムさんならタニス・リー『平たい地球シリーズ』の狂気の君チャズを演じられる!と確信する身としては、この配役を決めた監督(なのかな?)に同志を見た気分。

日本での公開はAXNミステリーで。
シーズン1(全2話)の初回放映は終わってしまいましたが、5月4日の夜に1話が放映される模様。
シーズン2の"Maigret's Night at the Crossroads"が放映されるのはまだ先でしょうが、観られる環境にある方は、シーズン1から要チェックかも。
『刑事フォイル』のプロデューサーや『名探偵ポワロ』『ミス・マープル』の脚本家といった制作陣が手がけるドラマなので、ハズレなさそうです。

原作が気になるので『メグレと深夜の十字路』(河出書房新社)を読んでみました。
画像リンクサイトとのアクセスが悪く、画像なしですみません。
メグレシリーズは『メグレと殺人者たち』しか読んだことがなかったなあ。
今は古本か電子書籍しかないようです。

邦訳ではCarl Andresen はカール・アナセンとなっていました。
「三寡婦の家」と呼ばれるいわくつきの家に住む謎めいた外国人兄妹、さらに謎めいた殺人・・・
ドラマチックな展開のはずなのになぜか地味というか淡泊なのは筆致のせいでしょうか。
勤勉実直なメグレが鋭い観察眼と冷静な判断で事件を解決していきます。
ラストはちょっとポワロの『ヘラクレスの難業』を彷彿とさせました。
ドラマでは変わる挿話もあるでしょうが、原作邦訳を読んだ限りカールは怪我ばかりしているので、トムさんファンとしては楽しみ心配です。

『クロッシング・ライン 3』のDVD化を待っているところに、またひとつ、待つ作品ができました^^ 

トムさんは2017年カンヌ映画祭の短編部門の審査員もされています。Super!
短編の映像作品に興味のある方は、Nespresso「TALENTS 2017」から見られます。
わたしは心の目と耳でだいたいの雰囲気を楽しんでいます(笑)




posted by まさの at 20:51 | TrackBack(0) | 映画・ドラマ

2017年04月16日

『マタイ受難曲』あれこれ

小学生のころ、合唱団に入っていました。
合同演奏会というのがあって、どこかの合唱団が『嘆きつ奥津城(おくつき)に』という歌を歌いました。
なんだかすごい歌があるんだなあ、と驚いたのを覚えています。
歌った合唱団の名前も、歌詞が何語だったのかも忘れてしまいましたが、タイトルだけは、大人になってからも忘れられませんでした。

ある日クラシック好きの父と話していて、ふとこのタイトルのことを口にすると、

「それはバッハの『マタイ受難曲』最終合唱だろう」

と、カール・リヒター指揮によるバッハ『マタイ受難曲』抜粋のテープを貸してくれたのです。

意外なときに意外な人から(父ごめん)むかし惹かれた歌との再会を果たさせてもらったのでした。

その後、カール・リヒター版の全曲録音を聴きました。

『マタイ受難曲』はイエスの受難を描いた宗教音楽のひとつで、バッハの作曲によるものが有名。
十字架刑で死んだイエスを悼む場面が、終曲の最終合唱です。
今は『嘆きつ奥津城に』とは呼ばず、シンプルに『第68曲 合唱』というようです。

宗教音楽といっても、全編を通じて「キリスト教バンザイ!」という調子ではありません。
愛する者の安らかな眠りを願いながら生前の苦悩をしのび、その苦悩を自分のものとして抱いていこうとする静かな決意が、心の深いところに触れてきます。

いちどは生演奏で聴きたいと思っていた『マタイ受難曲』。
バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)(※音声が出るサイト)の公演があると知り、行って来ました。
指揮者はBCJ主催の鈴木雅明。
会場は初台のオペラシティで、席は1階の28列でした。
全曲演奏のため、第1部と第2部の間に休憩を挟み、18:30から3時間以上の長丁場。
ドイツ文化に詳しい編集者のMさんが付き合ってくれました。

リヒター版のように最初の合唱から盛り上がるのを予想していたら、ゆったりと抑えたトーンの、端正なマタイでした。
ふだんクラシックを聴かないド素人のわたしは、同じ曲が指揮者によってこうも印象が違うのか、とびっくり。
ソプラノのハンナ・モリスン、アルトパートを歌うカウンターテナーのロビン・ブレイズの声は後ろの席までばっちり届き、バスの加耒徹によるペテロの3回の否認、ピラトの妻の台詞を歌ったソプラノの女性の声もよく聞こえました。
特にロビン・ブレイズの『アリア 第6曲』、悔悛と悔恨を歌いあげる高く澄んだ声がすばらしく、骨から洗われるような感じがしました。

『第68曲 合唱』が終わったときは22時近く。
久々に会ったMさんと初台の駅で長い立ち話をした後、これまた久々の満員電車で帰宅しました。

今回、演奏を鑑賞するためにひもといた本などを以下にご紹介。

マタイ受難曲
マタイ受難曲
(著:磯山雅)

ひとつひとつの曲について、前後の曲との関連性や背景についての丁寧な解説があり、作品の枠組みを理解するのを助けてくれます。
キリスト者のルイスが『ナルニア国物語』を、遠藤周作が『沈黙』を書いたように、バッハは自分の信仰と神についての思索を『マタイ受難曲』に注ぎ込んだのだ、ということが、この本を読んでわかりました。
バッハは ♯ 記号を十字架とみなして作曲したらしい、などトリビア的な知識も面白かったです。
巻末に『マタイ受難曲』全歌詞(ドイツ語&日本語訳)がついているのもありがたい。

残念ながら版元に在庫なしとのことですが、中古でも手に入れたい一冊。


CDブック NHK 新ドイツ語入門
CDブック NHK 新ドイツ語入門
著:相澤啓一

火星人のピポとドイツ人の女の子ティナの交流を描いたドイツ語教本。
文法、基本単語、会話など、すべての要素が1冊にぎゅっと詰まっていて、第50課まであります。
元はNHKのテレビで放映されていた番組をもとにつくられた本。
著者がこちらで放映時の画像をアップして下さっているので、かわいいピポとティナのパペットアニメーションも視聴可能です。

この本を一課終えてはマタイを聴き・・・の繰り返しで、現在も勉強中。


駈込み訴え
駈込み訴え
著:太宰治

イギリスではイースターに「シムネルケーキ」というマジパン入りフルーツケーキを作る風習があるそうですが、ケーキの上に乗せるマジパンの飾りは11個。なぜ11かというと、イエスの12人の弟子から、ユダを引いた数なのだそうです。
13という数字が不吉なのも、最後の晩餐でイエスを含む13人が食卓についたとき、ユダが13番目の席に座ったからだ、という説が元だとか。

そんな嫌われ者の代名詞のようなユダを、妄執めいた愛の反動でイエスを売る悲しい男として描いた、ユダの一人称小説。
青空文庫でも読めます。

そんなこんな、いろいろな扉を開いてくれたマタイ受難曲。
今後も機会があれば公演に足を運びたいと思います^^

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posted by まさの at 23:39 | TrackBack(0) | 展覧会・音楽会

2017年04月06日

やっと花々が

今日が入学式という学校も多いようです。
晴れてよかったですね^^

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武蔵国分寺公園の桜。

うちのちいさな庭にも、やっと春の花々が咲き始めました。

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個人的な春咲きの花の一押し、アネモネ。

咲いたときの明るさ、散りぎわの潔さ。
消えたと思うと翌年また現れる生命力。
その源である地中の球根が、三角錐の形をしているのも神秘的。
大好きな花です。
右端の花の上で花びらをムシャっているイモムシも、同意見かも。
花色や形は品種によりさまざまで、画像の品種は小柄なデカン咲き。
白地の内側に入った一重の赤い輪は、年々色が淡くなりますが、それがかえっていい味わい。

アネモネは、球根についてくる「育て方」なんかには、秋に球根を掘り上げて保存しろとあります。
ずぼらなわたしは植えっぱなし・・・
でも今のところ、毎年すこしずつ増えながら、ちゃんと姿を見せてくれていますよ。

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名前を忘れた青い花が、半日陰の庭の隅でこぼれるように咲きました。

ゴマノハグサ科クワガタソウ属のなにかだったかと・・・^^;
オオイヌノフグリの仲間なので、繁殖力は強いですね。


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昨年の冬に友だちからもらったコゴミ。

枯れたかな?と思った矢先、ちょっぴりのぞいた新芽のみどり色。
嬉しさもひとしお。

厳しかった冬のあとだけに、日差しのあたたかさが身に沁みます。

皆さまそれぞれに、よき新年度の始まりとなりますように!

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posted by まさの at 09:30 | TrackBack(0) | 草木花